大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
『―――コルァてめー鞠奈!!』



あたりに響き渡るくらいの怒鳴り声が、スピーカーから飛び出してきた。



「りゅ、うせい………」



あたしは声が震えないように気を付けて答える。



『お前、いったいどこ行ってやがる!

待ってろって言っただろうがよ!』



龍生の怒りが電話越しにも伝わってくる。


めちゃくちゃ恐い。


でも………恐いのに、ものすごくほっとした。

龍生の声を聞いて、自分でも驚くくらい、あたしは安堵していた。


涙が出そうになるのをこらえながら、あたしは「ごめん」と謝る。



「ほんとごめん………ちょっとコンビニに」



『ざっけんなよ!

ひとの気も知らねえで、てめえ!』



「ごめんて………わっ!」



いきなりつんつん頭にスマホを奪われて、あたしは思わず声をあげた。




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