大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
その瞬間、龍生の顔が不機嫌そうに歪んだ。




「………あぁ? てめぇ、生意気言ってんじゃねぇぞ!」




龍生が遠慮なくずかずかと教室の中に足を踏み入れてくる。


でかい図体を左右に揺らしながら歩く姿に、一年生たちは肩を竦めて、慌てて道を開けた。



龍生はまっすぐにあたしの席までやって来て、すぐ目の前に立ち、

斜め右上に顎を上げて、こめかみに青筋を立ててあたしを睨み下ろす。




「ふざけんじゃねぇぞ、鞠奈!

お前は今でも俺の子分なんだぞ!

俺の言うことは素直に聞け!!」




なんて自分勝手な論理なの!?


あたしは文句を言ってやりたかったけど、龍生の剣幕を見ていると恐ろしすぎて、言葉が出でこない。




押し黙ったあたしを見て、龍生は満足気ににやりと笑った。




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