大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
そいつがあたしに耳打ちした言葉を聞いて、あたしは目を輝かせた。




「えっ、ほんとに!?」



「ほんとにきまってんだろ!

おれはうそはつかねえオトコだからな」



「うわぁ、すごぉい!」




喜んで手を叩く純粋で無邪気なあたしを、そいつは満足気に見つめていた。




「………そのかわりにな。

おれのいうことはちゃんときけよ」



「うん!」



「おまえのものはおれのもの。

おれのものもおれのもの。

おぼえとけ!」



「うんうん!」




幼いあたしは、その言葉の意味も理解できないまま、こくこくと頷く。



そいつはにんまりと笑い、あたしのほうに手を差し出しながら、最後にこう言った。




「………じゃ、それ、おれによこせ」



「はあい!」






ーーーヤツの巧みな言葉にころりと騙されてしまった自分の愚かさを思い知ったのは、数日後のことだった。




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