大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
そう言った瞬間、龍生の顔がふっと曇った。


突然の表情の変化に、あたしははっとする。



ーーーまさか、龍生のお母さん……?




「………ごめん、あの………」



「高校生にもなって、オトコがお袋の弁当なんか持ってられるか!」



「………は?」




あたしはぽかんとして龍生を見る。


龍生は眉間に深く皺を刻んでいた。




「え? なに? どういうこと?」



「あぁ? わかんねえのか?

お前、ほんと相変わらずバカだな!

だからよぉ、男子高校生たるもの、お袋の弁当なんか食ってたら、アレだろうがよ!!」



「…………はぁ」




なに、つまり、お母さんの手作り弁当もってくるのが恥ずかしいってこと?


………なぁんだ、心配して損した。


てゆーか、男子ってほんとバカ。


なんでそんなことが恥ずかしいんだか。




「紛らわしいなぁ………。

てっきり、離婚か、下手したら病気か何かで亡くなっちゃったのかと思ったじゃん」









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