大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
なんとなく、どんな顔をしていいか分からなくなって、あたしはお弁当に目を落とし、ぱく、と肉じゃがを頬張る。



すると、横から突き刺すような視線を感じた。


ちらりと目を上げると、龍生が恐ろしい目つきであたしを睨みつけている。




「………おい、こら、てめえ………」



「………な、なに……?」




怒りの滲んだ低い声が怖すぎて、あたしは声がひっくり返りそうだった。




「てめえ、まさか」




龍生がいきなり手を伸ばしてくる。


そして、ぐいっとあたしの髪の毛の先をつかんだ。




「ひいっ、なっ、なにすんのよ!」



「なんだ、この髪はっ!!」



「はっ!?」




恐怖に肩をすくめながら目を丸くするあたしの髪に顔を近づけ、じろじろと凝視する龍生。


それから、踊り場の窓から射し込む陽の光に透かすように髪を引っ張る。




「いたっ、ちょっと!」



「お前、この髪………」




龍生の目が、まるで刺し殺そうとするような眼光であたしを射た。





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