大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「鞠奈のくせに色気づきやがって!

髪なんか染めて、男に色目使うつもりか!

ふざけんじゃねえぞ、ばかやろう!」




色気づく? 色目?


あまりの言いぐさに、さすがのあたしもかちんとくる。




「はぁ? なに言ってんの!?

髪染めたくらいで、なんでそんなこと言われなきゃなんないわけ!?」




「色目つかう以外に、どういう理由で髪染めるんだよ!

男にモテたくて染めたんだろうが!」




と叫んでいる龍生の髪は、ご存知の通り、燃えるように鮮やかな赤。




「じゃあ龍生も女にモテたくて染めたってわけ!?」



「あぁん!? てめえ、鞠奈のくせに生意気言ってんじゃねえぞ!

これはなあ、カッコいいから染めたんだよ!!」



「あたしだって、かっ、可愛くなりたいから染めたのよ!」




言ってから、恥ずかしくてたまらなくなる。


可愛くなりたいって………いや、本心だけどさ!


女の子なら、誰だって可愛くなりたいでしょ?




< 36 / 248 >

この作品をシェア

pagetop