大っ嫌いだ、ばかやろう！－最強ヤンキーの不器用な溺愛－

「あのねえ、さっきから矛盾しまくりなんですけど？

なんで、女がかわいくなりたいのは男にちやほやされたいからって決めつけるくせに、

自分がカッコよくなりたいのは女なんて関係ないとか言えるのよ！」




「ばっかやろう！！

だからそれは………！」




龍生がひときわ大きな声で反論しようとした、そのとき。




「おーい、龍生、うるせえぞー」




あたしと龍生の間の緊迫した雰囲気をぶち壊すように、突然、場違いなくらい呑気な声が聞こえてきた。



驚いて声のしてきた方向に目を向けると、階段の下から、明るい金髪とアッシュの髪が上がってくるのが見えた。




「どこのバカ猿がわめいてんのかと思ったら、やっぱり龍生だったな」



「ったく、近所迷惑もいいとこだぞ」




金髪さんとアッシュさんが龍生の前に立ち、呆れたように言った。