大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
その瞬間、龍生が勢いよくあたしのほうを振り向いた。



その顔の恐ろしいこと!


怒りで真っ赤に染まった顔面が、容赦なくぎろりとあたしを睨みつけている。




「………おいコラ、鞠奈!!

真似してんじゃねえぞ、ばかやろう!!」




うわ、もうほんと顔赤すぎ!!

てゆーか耳まで真っ赤だし!!


どんだけ怒ってんのよ!!




「真似なんかしてないって!!

たまたまタイミングそろっただけ!」




必死に虚勢を張って言い返した瞬間、それまで黙ってあたしたちを交互に見ていた二人が、同時にぶっと噴き出した。



龍生が振り向き、



「なに笑ってんだよ!!」



と殴りかかっていく。



金髪さんがそれを避け、アッシュさんが龍生の手をつかんだ。




「ったく、凶暴だなー龍生は」



「まじで狂犬だよ、狂犬」



「いや、ちがうって、あれだろ?」



「あー、あれな」




二人は顔を見合わせて、にやにやと笑う。


それから龍生を見て、




「………眠れる赤龍さん♪」




とおどけた調子で声をそろえた。




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