大っ嫌いだ、ばかやろう！－最強ヤンキーの不器用な溺愛－

ん？ どういうこと？


とあたしは龍生を見上げる。



その視線に気づいたのか、龍生がじろりとあたしを見た。




「………おい、鞠奈。

勘違いすんじゃねえぞ？


俺はなあ、女をちゃんづけで呼ぶようなチャラい男がダチだなんて、胸糞悪くて吐きそうになんだよ！！」




「は？ なんの話？

べつに勘違いとかしてませんけど？」




「あぁん！？ ………まあ、そんならそれでいいけどよ………」




「ってか、勘違いってどういう勘違いよ」




「………っ、るっせえな、なんでもねえよ！ ったく………」




龍生は何かもごもごと言いながら、灰谷さんに視線を戻した。




「とにかくな、鞠奈ちゃん、なんて呼び方、気味が悪りいんだよ」



「へえ？ じゃ、鞠奈って呼び捨てにすればいいわけ？」



「あぁっ！？ てめ、ふざけんなっ！！」



「ぎゃはは、お前、なんだよその顔！」




また灰谷さんと金森さんが笑いだしたけど、残念ながら龍生はあたしに背を向けているので、どんな面白い顔をしているんだか、見ることはできなかった。