大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
ぼんやりとその様子を眺めていると、金森さんが突然、すとんとあたしの前に座った。




「鞠奈ちゃん、どうも」



「あ、はい、どうも」



「龍生の幼馴染なんだって?」



「はあ、いちおう……でも、幼馴染っていうか、子分っていうか………」



「は? 子分?」



「そういうことになっちゃったんですよ、なんでだか」




はあ、と溜め息を吐き出しながら言うと、金森さんが可笑しそうに目を細めた。



それから、すっと顔を近づけてきて、耳打ちするように囁きかけてくる。




「龍生ってさあ、ものすごくバカだけど」



「はい、そうですね」とあたしは大きく頷いた。


金森さんが小さく笑って、言葉をつづける。




「バカだけど、まあ、いいやつだから。

よろしく頼むよ、鞠奈ちゃん」




「え? あ、はい」




よろしく頼むって………なんでそんなことあたしに言うんだろう?



どう考えても、金森さんと灰谷さんのほうが頼りがいありそうだけど?




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