大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
首を傾げたそのとき、龍生がいきなり拳を振り上げて、金森さんに殴りかかった。




「おっと、あぶね」




金森さんが間一髪でよける。




「なにすんだよ、龍生。

危ねえじゃん」



「なにすんだよ、じゃねえ!

避けんな、ばかやろう!」



「避けるに決まってんだろ」



「ああん!? むかつくな、てめ!」




龍生が恐ろしい視線で睨みつけたけど、金森さんは平然としている。



すると龍生はあたしに向き直った。




「おい、鞠奈!」



「はい?」



「あんま金森に近づくんじゃねえぞ!」



「………は? なんでよ?」




問い返すと、龍生はぐっと言葉に詰まった。


うううと奇妙な唸り声をあげて、龍生は頭を抱えている。



なに? なんなの?




「………かっ、金森はなあ、危険なオトコなんだよ!!」



「………は? 危険?」




その瞬間、金森さんと灰谷さんが、ぶはっと噴き出した。



そして、龍生の後ろでげらげら笑っている。




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