大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「………とにかくな!!

女たらしってほどでもねえが、こいつはなあ、手が早くて有名なんだよ!

だから近づくんじゃねえ!!」



「………はあ」



「分かったか!!」




龍生がぐぐっと顔を近づけてきて、真近で凄む。




「分かったって言え、ばかやろう!」




あまりの剣幕に、あたしはこくこくと頷きながら、「分かりました!」と答えた。



龍生は、ふん、と鼻を鳴らして立ち上がる。



そのとき、ちょうど予鈴が鳴った。




「おいこら、帰んぞ、てめーら!」




龍生が二人に声をかけると、金森さんたちは「はいはい」と涙目をこすりながら立ち上がった。




龍生がガニ股でどすどすと階段を降りていく。



灰谷さんがその後に続いた。




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