大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
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「……あー、なんか疲れた……」
帰りのホームルームが終わった瞬間、あたしは机に突っ伏する。
有香がやってきて、「どしたの?」と呑気に訊いてきた。
「龍生に振り回されまくってさ………もうやだよ〜」
うつ伏せになったまま泣き言を言うと、有香がくすくすと笑う。
「んもー、有香、他人事だと思って!」
あたしが顔を上げて睨むふりをすると、有香はさらに笑った。
「だって、他人事だもん」
「ひどー!」
でも、有香のそういうさばさばしたところ、大好きだ。
「でもさ、もうマジで……疲れるんだよー、龍生といるの!」
「でもさ、ちょっと羨ましがられてるよ、鞠奈って」
「は? なにが? なんで?」
全く意味が分からなくて首を傾げると、有香が顔を近づけてきた。