大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
あたしはうきうきしながら、きれいなプリーツが清々しいスカートを手に取る。



もう、ほんっと、可愛い。


この制服が着たくて星ヶ丘高校を選んだ、と言っても過言ではないのだ。



深いグレーのジャケットに、

白いラインの入った黒のカーディガン、

赤いチェックのスカート。



一つひとつ大事に身につけていって、あたしはスタンドミラーの前に立った。



地元の公立中学校の制服ーーー三年間着てよれよれになったダサい水色のセーラー服を脱ぎ捨てて、


シックなデザインのおしゃれなブレザーを着たあたしは、



急に大人っぽく、ついでに顔まで可愛くなったような気がする。




中学校の卒業式を終えたその日に美容院に行って、ほんのりブラウンに染めて、顎のラインで切り揃えた髪も、なかなか決まってる。


小顔効果ばっちり!




あたしは「ふふふ」と声を立てて、鏡の中の自分に向かってにんまりと微笑んだ。




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