大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
馬鹿みたいにでかいから、頭がドアの上の枠につきそうなくらいだ。



最近、近くで見るのはだいぶ慣れてきたけど、


やっぱり離れたところから見ると、細いけど抜群に背が高くて、圧迫感が半端じゃない。



もう、立ってるだけで恐いとか、どんだけ?



教室のみんながびくびくしながら様子を窺っているのがわかる。



でも、よく周りを見てみると………。


確かに、有香の言ってた通り、女子たちは恐怖だけじゃない表情で龍生をちらちら見ているじゃないか。



その顔は興奮したようにほんのり赤く染まっていて、よく耳を澄ますと、



「赤川先輩だー」


「やっぱかっこいい!」


「スタイルいいよね、何センチあるんだろ?」



などと囁き合っているのが聞こえてきた。




………なるほど。


客観的に見れば、そういう評価になるのか。



たしかに、ほっそりと背が高くて、顔も小さくて、でも肩幅とかは適度にあるから貧弱ではなくて、モデルみたいなスタイル、といえる。


顔もまあ、べつに変なところはないし、っていうか、悔しいけど、全部のパーツがきれいな形をしていて、非の打ち所がない。



ただし………。




「ああん? おい、てめー鞠奈、ガンつけてんじゃねえぞ?

ケンカ売ってんのか、コラ」




………中身はこれ。




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