大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「おいこら、鞠奈、こっち来やがれ」




あたしはふうっとため息を吐いた。


それから龍生のもとに向かう。




今度はいったい何なのよ……。



また「帰り、顔貸せや!」とか言って無理やりあたしの家の近くまでついて来るつもり?




「………今日は部活が」




あるから一緒に帰れない、と言おうとした瞬間。




「…………?」




龍生の様子が何かおかしい、と気づいて、私は言葉をのみこんだ。



いつもは恐いくらいまっすぐにあたしを見て(睨んで)くるのに、今はなぜか、視線をうろうろと泳がせている。


そして、最終的に天井の角あたりに目を向けたまま、





「これ、………食え、ばかやろう」




とぼそぼそ呟いた。



え、と視線を落とすと、龍生がそっぽを向いたまま、あたしに向かって握った拳を突き出している。



両手を広げて差し出し、受け取ってみると。




「………プリン?」




購買で売られているものだ。





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