大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
*
「あれ? なにそのプリン。
そんなの冷蔵庫入ってた?」
ソファに座ってテレビを見ながらプリンを食べていると、お母さんが首を傾げて覗きこんできた。
「んーん、もらいもの。
お母さんも食べる?」
スプーンですくって差し出してみると、お母さんは
「太るからいらなーい」
と首を振って、キッチンに入っていった。
「誰にもらったの?」
お母さんが手を洗いながら訊いてきたので、あたしは一瞬迷ってから、正直に答える。
「あー……龍生から」
「あらっ、龍生くん?」
案の定、お母さんの顔がぱあっと輝いた。
そのままぱたぱたとリビングにやってきて、あたしの隣に腰をおろす。
「なになにー、いつの間にそんな仲になったの?
お母さん嬉しいな~」
うきうきしたようにあたしの顔を覗きこんできたので、あたしは困って顔を背けた。
そう、お母さんは昔からなぜか龍生のことが大のお気に入りなのだ。