大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
きっと龍生だって、自分の親にはそんなこと恥ずかしくて言えないって。


他人の親だから素直になれるだけでさ。



………と思ったけど、そうでもないかも。


今日のお昼のやりとりを思い出す。


龍生は、恥ずかしげもなく、



『うちの母ちゃんが死ぬわけねぇだろうが!!

つーか、父ちゃんともめっちゃ仲良しだっつーの!!

離婚だと? ふざけんじゃねぇ!!』



なんて大声で叫んでいた。



あの様子だと、家でも『母ちゃんのメシうめえ!』とか叫んでそう。


あー、たぶん叫んでるな。

絶対叫んでるわ。



おバカだから、羞恥心とか照れくささとか無縁なんだよ、きっと。


だって、普通は自分の親に改めてそういうこと言うのって、恥ずかしくてなかなかできないもん。



でも、うちのお母さんからしたら、龍生がおバカなのはどうでもいいらしく。




「ねえ鞠奈、龍生くんっていつもお弁当?」



「んーん、コンビニとか購買で買ったの食べてるよ。

お弁当もってくるの恥ずかしいらしい」



「あらっ、じゃあ………」




お母さんのにっこり笑った顔を見て、あたしは嫌な予感にとらわれた。





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