大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
………それにしても。


なんで今さら、あんな夢を見たんだろう?



あの悪夢ーーーあたしの人生にとって最初で、そして最大の悪夢。



ある日突然、あたしを「子分」に指名したあいつは、

近所でも悪名高いガキ大将、

とんでもなく傍若無人な俺様男だったのだ。



あいつは幼稚園児のくせにすごく背が高くて、1歳年下のあたしにとっては見上げるほどに大きかった。



10年前のあの日……どんなことを耳打ちされたのかは、もう忘れてしまったけど。


あいつの口車にまんまとのせられてしまったあたしは、愚かにもヤツの「子分宣言」を受け入れてしまったのだ。



それからはもう、あたしの人生はさんざんだった。


実はわりと近所に住んでいたあいつは、事あるごとに毎日のようにあたしの家まで訪ねて来て、



「おい、コブン! あそびにいくぞ!」



とあたしを外に連れ出した。




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