大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
さわやかな笑顔と優しい口調で言われて、断れるわけがない。



大山さんたちは微笑みながら2つに分かれて、グループ作りは無事に終わった。




大山さんのグループに声をかけたというのも、上手くいった秘訣だったと思う。



わりと普段から二人ずつで行動してることが多いから。


きっと高田くんはそれを観察して知っていて、わざとそこを選らんだんだ。



お見事、とあたしは拍手を送りたくなった。





「高田くんて、すごいよね~」




あたしは振り向き、有香に話しかける。




「こういうときさ、いっつも、すごくしゃきしゃき仕切っちゃうもんね」




有香は頬杖をついて前を見つめながら、




「まあね、仕切るわりには反感もたれない言い方するし。

リーダーになるために生まれて来たって感じだよね」




と頷いた。



同意を得たのが嬉しくて、あたしはさらに言葉を続ける。




「なんかさぁ、ほんと頭も顔もいいし、運動もできるし。

なのに控え目だし、優しいし、落ち着きあって大人っぽいし。

もう、どこの漫画から出てきた王子様だよ!ってツッコミたくなるよね」





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