大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「それに、なんだかんだで昼休みも毎日一緒じゃん」



「だからそれは、お母さんがお弁当わたしてって言うから!」



「帰りもけっこう一緒に帰ってるし。

好きじゃないなら普通ことわるでしょ」



「ちっがーう、怖くて断れないの!

拒否ったりしたらどんな仕返しがくるか………」




あたしは自分の想像に寒気を覚えて、ぶるりと肩を震わせた。




「でもさ、このままじゃ、せっかくの高校生活が龍生につぶされちゃうもん。

ここは彼氏の一人でも作って、『もう龍生とは会えない』って言ってやる!」




話の流れで口に出したけど、すぐに、なかなかの名案じゃないか、と気がつく。



そうだ、彼氏をつくればいいんだ!


そしたら、いくら龍生だって、彼氏もちの女子高生を、子分だ何だとか言って連れ回したりしなくなるはず。



そりゃ、学年中の女子から人気のある高田くんと、本気で付き合おうとは思わないけど。


他にも、優しかったりかっこよかったりする男子はいるわけで。



龍生の呪縛から逃れるためにも………



「よし、決めた。

あたし、本気で彼氏つくる!」




有香はちょっと呆れたような顔をしつつも、「がんばれ」と言ってくれた。




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