大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「実は………入学したときから気になってたんだけどさ。

佐伯、あの赤い髪の先輩に、なんか目えつけられてるよな?」



「えっ」




予想外なことを言われて、あたしは目を丸くした。



高田くんは真剣な顔であたしを見つめている。




「大丈夫なの?

なんかヤバいことになってない?

何か弱味でも握られてるとか」




ーーーヤバい? 弱味?


うーん、ヤバいってほどでもないよな………。

子分宣言はされてるけど、弱味を握られてるわけでもないし。



しばらく考えた結果、あたしは笑みを浮かべて首を横に振った。




「気にかけてくれてありがとう。

でも、そういうわけじゃないから」



「本当に? まぁ、佐伯がそう言うんならいいけど………。

でも、赤川先輩だっけ? やっぱり怖いっていうか迫力あるし、心配でさ」



「うん、迫力は半端じゃないね」




あたしはうんうんと頷きながら答えた。


たしかに龍生は怖いし、迫力がありすぎる。




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