大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「………おいコラ、てめー、なにしてやがる!!」



唐突に、地獄の底から響いてくるような恐ろしい声が降ってきた。



あたしは目を見開いて顔を上げる。


真横に、閻魔大王ーーーじゃない、龍生がいた。




「わっ! 龍生、いつの間に!?」




スマホを握りしめたまま、あたしは思わず立ち上がった。



前の席に後ろ向きに座っていた高田くんも、驚いたように目をみはって龍生を見上げている。



龍生は、今までで一番こわい顔をしていた。


今にも殴りかかられそうで、あたしは震え上がる。




「………おい、鞠奈ぁ……」




龍生の声は、これまで聞いたことがないくらい低かった。



あたしは肩を竦めて「はいっ」と答える。




「てめー、何してんだって聞いてんだよ!!」




龍生はあたしをぎっと見つめ、それから高田くんに視線をうつし、さらにあたしの手の中のスマホを見た。




「何してやがる!」



「えっ、えっ、な、なに怒ってんの!?

ちゃんと帰らないで待ってたじゃん!」




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