大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-







「………ちょっと、龍生!

いた、痛いってば!」




龍生があたしの手をつかんだままどんどん進むので、さすがに痛みを覚えて、あたしは音を上げた。


言った瞬間、龍生はぱっと手を離し、「……すまん」とあたしを見た。



でも、その顔は険しいままで。




「もう、一体なんなの?

話の途中だったのに、無理やり………」




あたしは不満を隠さずに龍生を見上げた。


龍生はかなり身勝手で、いつも有無を言わさずあたしを連れ回してきたけど、

今日みたいに、誰かと喋っているときに無理やり連れ出したりしたことはなかった。



いったい何が気に食わなかったわけ?




じっと見つめていると、龍生はきつく眉根を寄せ、あたしをじろりと睨んできた。




「………お前は、俺の子分だろうが」




低い声で言われた言葉があまりに脈絡なくて、あたしは首を傾げる。



龍生が不機嫌を丸出しにして、さらに言った。




「俺の子分なんだから、

他の男としゃべるんじゃねえ!」





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