大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
―――は?


なに言ってんの?



他の男としゃべるな?




「………なんで?」




あたしはぽかんと口を開いたまま、呆然と龍生を見上げていた。



すると、次の瞬間、龍生がかっと目を見開き、その顔が真っ赤に染まった。


それから、さっきの記録を更新して、史上最強に怖い目つきになった。




「………っ、口答えしてんじゃねえ!


黙って俺の言うことを聞け!!」




今にも殴られるんじゃないかと思うほどすごい勢いで凄まれて、あたしは声も出せずに、こくこくこくと頷く。



龍生はしばらく確かめるようにあたしを睨んでから、ふいっと顔を背け、




「………帰るぞ。

もたもたすんなよ?」




と小さく呟いて、いつものように肩で風を切るようにして歩き出した。




………なんなのよ、もう。


わけわかんない。



龍生の子分だと、クラスの男子としゃべるのもダメなの?


そんな無茶な!



ああ、ほんと、なんでこんなやつに目をつけられちゃったんだろう。


あたしの薔薇色の高校生活はどこへ!?



先行きの暗い未来にため息をついて、あたしは小走りで龍生の背中を追った。




< 74 / 248 >

この作品をシェア

pagetop