大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
真面目なあたしは、先生に叱られたことなんてなかったので、慌てて


「ごめんなさい、すぐ帰ります!」


と頭を下げる。



一方、ヤンキーな龍生は、先生にぎっと視線を向けてから、


「すんません」


と、意外にも素直に謝った。



先生はあははと笑って、龍生の頭をぽこんと軽く叩く。




「赤川、いつまでもガキみたいに意地はってんなよ?

素直にならなきゃ何も変わんないぞ?」




先生が茶化すように言う。


ん? どういうこと? 何の話?



首を傾げるあたしの横で、龍生が先生をじろりと睨みつけた。




「何の話っすか。意味わかんないんすけど。

てか、余計な世話っすよ」




最凶ヤンキー生徒にガンを飛ばされたというのに、先生は楽しげに笑うだけだ。



うーん、龍生って、きっとものすごい問題児として先生たちに注目されてるんだろうと思ってたけど、

意外とそうでもないのかな?



先生はどちらかというとにこやかに龍生を見守るような表情をしていて、あたしは不思議に思った。




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