大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「―――おうっ、赤川じゃねえか!」




突然うしろから、ドスのきいた声が龍生を呼んだ。


龍生が「あぁん?」とこれまたドスのききまくった声で応えて、ゆっくりと振り返る。


あたしもおそるおそる後ろを向いた。



―――めっちゃ怖い人いる!!



少し離れた道のど真ん中で腕を組み、顎を上げて威嚇するような顔つきでこちらを見ているのは、

坊主頭で眉毛のない、超こわいヤンキーだった。


龍生にも負けず劣らずの迫力。


しかも、後ろに二人のヤンキーを従えている。

髪をツンツンに逆立てて、龍生を睨みつけていた。


着ている制服は、近くの工業高校のもの。

星ヶ丘のヤンキーたちと対立していて、しょっちゅう喧嘩しているのだと、風の噂で聞いたことがあった。



「あんだよ、なんか用事か?」



龍生が一歩前に出た。


目の前に広い背中がきて、あたしの視界を遮る。


あたしは思わず横に足を踏み出し、相手ヤンキーたちを見ようとした。




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