大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
でもそんなまさか、と思って、確かめるように成り行きを見守っていると。



今度は再び、二人同時に拳を振り上げた。


坊主頭がまた叫ぶ。



「じゃーん! けーん!!」



ああ、もう、疑いようがない。



「ぽんっ!!」



これは、まぎれもなく―――じゃんけんだ。


龍生はチョキ、坊主頭はパー。



「………また負けたぁ……っ!!」



坊主頭がこの世の終わりみたいな絶望の表情で、地面に倒れ伏した。



「はははっ、言っただろうが!

この俺様に勝とうなんざ、100万億年はえーんだよ!!」



龍生が勝ち誇った顔で笑う。


てゆーか、100万億年なんて数字はないですけどね。

ほんとにアホだな、龍生って。



突っ込みどころが満載すぎる。


あたしはあまりの馬鹿馬鹿しさに、突っ込む気力さえなくして、全身を脱力させて立っていた。



さっきまで、流血沙汰になってしまうと緊張して焦りまくっていた自分が、哀れで仕方がない。




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