大っ嫌いだ、ばかやろう!-最強ヤンキーの不器用な溺愛-
「もしかして、マジで付き合っちゃう系?」


「いやー、まだ分かんないけどー」


「じゃあさ、もし高田くんに告られたら、どうする!?」


「えー!? あの高田くんがあたしに告るとか、考えられないけどー………」



とか言いつつも、私は妄想してしまう。



『………あのさ、佐伯』


『え……っ、なに、高田くん?』


『俺、実はさ……』


『うん』


『ずっと前から、佐伯のこと好きだったんだ』


『えぇ……っ!?』



両手で口許を覆ったあたしの手首を高田くんがつかんで、



『俺と付き合ってくれない?』



そして壁に押しつけられて、ゆっくりと高田くんの顔が近づいてきて―――




「………きゃあっ、どうしようどうしよう、なんて返事すればいいかな!?」



自分の妄想に恥ずかしくなって、顔を隠して首を横に振る。


有香はやっぱり呆れた顔をしつつも、


「よかったじゃん」


とぱちぱち手を叩いてくれた。



「やー、でも、分かんないけどさぁ、今はまだ」


「とか言って、期待してるくせに!


「えへへー」



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