幼なじみ物語*番外編
そう言って隼多は、俺の隣のやつに声をかけた。
「ねーねー、彼女ー」
…声のかけ方が古すぎねぇか?
「…あたし?」
不審そうに振り向いた隣の席の人物。
ショートカットの、目がくりくりした女の子。
「そうそう。名前何?」
「あたしは滝本麻里」
これが、俺と麻里の出会い。
俺の人生を変えた、大きな出会いだった。
隼多と笑い合いながら話す麻里。
俺はそれを、ぼーっと見つめていた。
女と関わるつもりなんてなかったから、特に話しかけることもなく。