恋した責任、取ってください。
9.終わり良ければ全て良しです
それから冬が過ぎ、春を迎え、ブルスタは見事、悲願だったプレーオフ進出を果たした。
御手洗コーチ・恵麻さん夫婦の元にも元気な男の子が誕生し、この際だからゆっくり育児休暇を取るらしい恵麻さんは、日々すくすくと成長する息子くんの育児に悪戦苦闘の毎日ながら、授かった新しい命の重みや尊さにコーチとともに幸せを噛みしめているそうだ。
以前、それぞれザキさん推しと佐藤さん推しだと教えてくれた佐伯さんと鈴野さんは、男子たちの尊い姿に萌える女子――すなわち腐女子だということが判明し、どっちがどうだのと日々熱い議論を繰り広げては、「ウズラちゃん的にはどう思う!?」と声を揃えて尋ねてくることが増えた。
毎度「私はそういうのには詳しくないので……」と明言は避けているものの、ザキさんと佐藤さんは相変わらず仲良しなので、それだけで彼女たちには尊く神萌えで眼福なんだそうだ。
な、なんだかすんごい世界だ……。
そして、その(?)佐藤さんはというと、なんとクリスマスから弥生と付き合いはじめた。
弥生が嬉しそうに目を潤ませながら話してくれたところによると、点数稼ぎだと思われていただろう、もんちゃんの散歩のときの弥生が、しばらくして、いじらしくて可愛らしいと思うようになったんだそうで。
佐藤さん自ら、ちょうどイブの日曜日に行われる観戦チケットを用意し、弥生に試合を観に来てもらって。
そのあと、クリスマスのイルミネーションがキラキラと輝く大きなモミの木の下で、プレゼントとともに告白をしたそうだ。
一方、その頃の大地さんと私は、どうだったのかというと――。
「葛城にも心にも子供がいるし、年が明けたら恵麻のところにも生まれるし。俺も早く子供が欲しいんだけど……まずはいろいろと教え込んでからにするからね」
「……はうぁっ!?」