【完】俺のカノジョは生徒会長
1時間目 俺と会長



「桜の花も散り、葉桜が美しい季節となりました。新入生の皆さんもだいぶ学園生活に慣れたと思います。遅くなりましたがこんにちは、生徒会長の夏河です。今日は一学期に行われる生徒会活動を紹介したいと思います」

昼下がりの体育館。生徒がぎゅうぎゅうに詰められて、無駄に暑い。
そんな中俺、神田 雷は生徒会長の話しを聞いていた。

この学園のアイドルであり、エースでもある生徒会長、夏河 紗良。何をやらせてもそつなくこなし、人望もあつい生徒会長だ。腰まで伸びた髪は艶のある黒髪で、目はパッチリと大きい。小さな鼻の頭には笑うとクシュっとシワができて可愛らしい。その下の形の良い口から時折覗く白い歯は、とても歯並びが良い。
そう、この生徒会長はモテるのだ。どうしようもなく。
それもそのはず、あの容姿からも分かる通り、清潔感と可愛らしさで彼女の周りは溢れているのだから。それに言動も礼儀正しさの中に幼子のような天然さもはいり、無駄に可愛く見えるのだ。

それが俺の…俺の彼女に対する悩みだった。
そう、俺と紗良は付き合っている。みんなには内緒にしているけどな。
もしもみんなにバレてしまったら、アイツの評判に傷がつく。

俺は体がデカい。最近測っていないから分からないが、軽く190cmは超えているはずだ。紗良と並ぶと30cmくらい差がある。
そんな俺は実は日本一危険とされている不良グループ「KINGs」のリーダーだ。
そんなやつと付き合っているなんて分かったら、紗良は周りの信用をなくしかねないだろ。
だから俺らは秘密で付き合っているんだ。

紗良の話しはそろそろ終盤に入っていた。

「ですので体調管理はしっかりとしましょう。以上です。ありがとうございました」

みんなに向かって一礼すると、紗良は壇上から降りていった。
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