【完】俺のカノジョは生徒会長
12時間目 籠の中の私【紗良side】
「ただ今帰りました」
「あぁ、お帰り」
ドアの向こうから聞こえるお父様の声。
「あの…お母様は? 」
「雪ならもういないだろう。何度同じことを聞くんだ」
「だって、お父様、教えてくださらないから…」
「黙りなさい。雪はもう、帰って来ないと何度も言っているだろう」
「でも………」
「でもじゃない! 早く部屋に入りなさい」
私は逃げるように、お父様の前から立ち去った。