【完】俺のカノジョは生徒会長
「わりっ! 遅れたっ! 」
先についてたらしい紗良が時計台の下で手を振っている。
勿論浴衣。
「大丈夫だよ」
紗良は微笑むと、俺の手を取った。
「やっぱり雷の浴衣は格好いい~」
「なっ、急に何だよ? 」
「んー? 格好いいことを格好いいって言って、何がいけないの? 」
紗良が俺を見上げる。
そして俺はノックアウト。
自分でも分かるくらい赤くなった顔を隠すように、俺はそっぽを向いた。
「………そんな目、すんなよな……」
やっとのことで、それだけを呟く。
「えっ? 何か言った? 」
「いーよ、何でもねぇ」
俺は紗良の手を握りかえす。
それを合図に俺たちは歩き出した。