【完】俺のカノジョは生徒会長
歩きながら俺はあることに気が付いた。
「…お前、浴衣似合ってる」
俺としたことが、紗良の浴衣について感想を述べていなかったのだ。
「そーお? あんまり似合ってないと思うんだけど…」
「いや、めっちゃ可愛い」
紗良は夕日のようなオレンジにトンボが描いてある、可愛らしい浴衣だった。
髪も普段はしないような華やなもものだ。
「えへへぇ~、ありがと。実は髪と着付け、美容室でやってもらったんだ」
「マジっ!? スゲー可愛いよ」
「ふふっ、ありがと」
紗良は頬を赤く染めてはにかむと、俺の手をぎゅっと握った。