【完】俺のカノジョは生徒会長
「はぁ? なんでここでテレビの話になんだよ? 」
『その保谷時雨ってやつ、あの“保谷財閥”の跡取りだぞ』
「は? 」
『んで噂では夏河と婚約するつもりらしいぞ』
「は? なんで」
『お前、知らなかったの!? 夏河の父親、最近すげぇ成功して一流企業の仲間入りしたんだぞ』
「まじか」
『マジだ。けっこう有名な洋服ブランドらしいよ』
「知らんかった…」
『俺だって、最近知ったもん』
「なんで? 紗良に訊いたのか? 」
『んなわけないじゃーん! 俺の彼女に訊きました♪ 』
「は? 宇宙姉ちゃんに一目惚れしたんじゃねぇの? 」
『うん♪ それで連絡先交換して、その流れで一目惚れしましたって告った☆ 』
「はぁ? 」
『で、とりあえずお試しってことでOKもらっちゃいましたぁ~』
「嘘だろ…。俺の宇宙姉ちゃんが…」
『ちょっと思ってたけど、雷ってシスコン? 』
「ったりめぇだ。宇宙姉ちゃんほど素晴らしい女は紗良以外にいない! 」
『やっぱな…』
電話の向こうで巧が苦笑いする気配が伝わってくる。
そけは気配につられて、俺も苦笑した。