【完】俺のカノジョは生徒会長
日野が崎高校の校門の前には1人の男が立っていた。
銀色のスタイリッシュな眼鏡が似合う、男子生徒。
爽やかにセットされた黒髪から覗く目は優しげだ。
「おう、時雨! 」
「久し振りだね、巧」
こいつが時雨か。
俺は時雨とやらを、ぐいっと睨んだ。
「俺は神田雷ってんだ。よろしく」
「初めまして、神田くん……かな。僕の名前は保谷時雨」
おう、知ってるぜ。
あったりめえだ。
だって、紗良の婚約者になりたいんだろ。
だったら忘れねぇよ。