【完】俺のカノジョは生徒会長
「お待たせ。飲み物何にする?」
「俺、アップルジュース!」
「あはは、了解。神田くんは? 」
「雷でいいよ。俺はストレートティー」
「おっけ。じゃあ僕はコーヒーにしよ」
時雨は手早く注文を終えると、俺たちに向き直った。
「で、何か話があるんだったよね? 」
「そーそー、雷がね」
「こないだのことなんだが……」
俺は時雨に万引きの件について、一通り話した。
話の途中から難しい顔をしていた時雨は俺の話が終わると、ため息をついた。
「まったく、彼らは日野が崎の面汚しだね。わかった、君たちに協力しよう」
「マジか!」
「もちろんだよ。早速その万引き犯の特定をする」
そう言いきった時雨の顔は険しかった。
「見つかり次第、連絡する」
時雨は飲み物の代金をテーブルにおくと、「それじゃ」と言って立ち去った。
俺は考え事をしながらストレートティーを一口飲んだ。
手持ちぶたさになった巧は、ちゃっかり時雨が置いていった代金を確認していた。
奢ってくれていると巧は思っていたようだったが、どうやら期待はずれの金額だったようで、肩を落としていた。