【完】俺のカノジョは生徒会長
明らかにビビっている中園と久保山。
そんな彼らを挑発する。
「俺のこと、倒すんじゃねぇの? かかってきなよ」
すると中園が殴りかかってきた。
「おおおおおおおおっっっ! 」
気合いを込めたその拳が、俺に届くことはなかった。
その手を掴むと、俺は力いっぱい中園を転がした。
砂場の中に倒れ混む中園。
苦しそうに肩を押さえている。
当たり前だ。
正しい手順で投げてねぇもん。
だからか俺の腕も変に痛い。
あーあ、やっちゃった。
次に久保山の方を見る。
「どーする? 俺とやる? 」
「……っ」
「早く決めて」
「っうおおおおおおおおおっ! 」
久保山がくりだした蹴りは微妙に俺の脇腹をかする。
たいした蹴りじゃねぇが、気をそらす効果はある。
と言っても、留め具が外されて極限状態の俺の集中力は、このくらい屁でもない。
久保山のみぞうちにちゃっちゃと一発決めると、俺はスマホを取り出した。
《終わったぞ》
そのすぐ後に右代の防災倉庫の陰から俊行が姿を現す。
「お疲れ様っす」
「おう」
俺は俊行の肩を軽く叩いた。
そして前にたって歩き出すと、巧にメールを打った。
《終わった。2人は公園。そのうち目ぇ覚める》
一仕事終えたときの満足感は、半端ない。