【完】俺のカノジョは生徒会長





「ここが僕の家です」




つれてこられた家は、豪邸だった。



予想はしてたけど、驚いた。




「どうぞ」



保谷さんに促されて、中に足を踏み入れる。



綺麗な庭を抜けた所に玄関はあった。



「あの、おうちの方は……? 」

「ああ、2人は向こう側のもう少し大きい家にいますよ」

「へっ? 」

「こっちは"僕の"家です」




嘘でしょ。



でも、どうやらそれはほんとらしくて、通された応接間は誰もいなかった。




「紅茶でいいですか? 」

「あ、はい」



出された紅茶を飲みながら、買ってきた洋菓子を思い出した。




「あの……お誕生日、おめでとうございます」



そう言いながら洋菓子の箱をだすと、保谷さんはトテモ驚いた顔をしていた。



「誕生日? 誰の? 」

「え、保谷さん誕生日じゃないんですか? おうちに呼ばれたからてっきりそうなのかと……」



どうやら勘違いをしていたようで、私は恥ずかしくなった。



「誕生日はまだ先ですが、このお菓子はありがたく頂きますね。ありがとうございます」





そう言ってくれる保谷さんは紳士だ、と思った。





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