【完】俺のカノジョは生徒会長
保谷さんの部屋に入ると、ソファーに座るように促された。
「ところで、夏河さんには彼氏がいたりしますか? 」
「ぇと……一応いません」
「では好きな人は? 」
「いますっ! 」
「ではこの縁談、断ればよいのでは? 」
「そうしたいのはやまやまです。ですが父が……」
そう言って俯くと、保谷さんは私の肩をポンと叩いた。
「では僕がやめるといったことにしましょう」
「えっ? 」
「僕だって親が勝手に決めた縁談なんですよ、これ。僕にだって彼女いますからね」
「そうなんだ……」
「はい。当然親には反対されて……。でも僕が結婚したいと思える女性はその人だけなんです」
「でもさっき、私とならいいって……」
「あれはこの企業の社長子息としての意見です。僕自身はこんなのごめんですよ」
「じゃあ……」
「この話はなかったことにしましょう」
「あ、ありがとうございます! 」
なんとか話がまとまった。
この内容は保谷さんがお父様に報告してくれるそう。