【完】俺のカノジョは生徒会長
パタン
生徒会室のドアが閉まる。
今ここは俺たち2人きりだ。
「どうしたんですか、かいちょーさん」
俺が紗良を覗き込みながらたずねると、紗良は顔を真っ赤にして目をそらした。
「……いで」
そしてモゴモゴと何かを訴える。
「何? 聞こえないよ」
俺は話の内容を分かっていながら紗良にもう一度たずねた。
「だから、かいちょーさんなんて呼ばないで…」
やっぱり。俺ビンゴ。
「そんなに俺にかいちょーさんって呼ばれるの嫌? 」
紗良は真っ赤な顔のまま、コクリと頷く。
あー、もー、可愛いなぁ、おい。
「じゃあ何て呼ばれたい? 」
これも本当は知っている。でも、知っていることだからこそ聞きたい。それって普通だろ。
「……ら」
「何? もう一回」
「さら」
「もっとはっきり」
「紗良って呼んで! 」
「分かったよ紗良」
散々紗良に意地悪した俺は微笑んで紗良に応える。
「……分かってたでしょ? 」
「ん? 当然だろ」
「もう! 」
紗良は真っ赤な顔をプイと俺から背けた。
「あ、そんなことしていーんだ。へぇー、紗良は俺のこと嫌いになっちゃったんだね」
「えっ!? 」
紗良が振り返る。
その紗良の唇に俺はキスを落とした。
「きゃっ」
紗良の悲鳴なんて物ともせずにキスを続ける俺。
紗良の息がもたなそうになったところで俺は唇から離れた。
紗良が名残惜しそうに俺を見上げる。
……可愛な、おい。
「それより紗良、俺服装違反してるんだろ? 」
「あ、そうだった…」
「おい、こら、会長」
「へへへっ、ごめんね」
「可愛いから許す」
「やった。雷大すき」
「俺もだよ」
そして俺はまた紗良にキスを落とす。
唇を離したとき、俺は紗良に囁いた。
「3つ先の駅のドーナツショップにいて? 」
「分かった」
みんなには内緒にしているから、いつも遠回りして一緒に帰るんだ。
「約束な」
「ん。ぁ」
返事をした紗良にもう一度キスをした。