【完】俺のカノジョは生徒会長
2時間目 KINGs

放課後。
暇になった俺は、先にドーナツショップへ向かう。

駅のホームに入ると周りがザワッとざわめいた。

「ねぇ、あれってKINGsの…」

「やば、ちょーかっこいい! 」

「おい、すげーぞ」

みんながみんな俺を見ていた。
うるさいな。
そう思ったけど黙ってた。だって今は制服だから。こんな格好で暴力沙汰なんで起こしたら、紗良にどんだけ迷惑がかかるか…。

耐えろ俺、頑張れ俺…。



そのまま俺は電車に乗る。
俺は窓に映る自分をじっと見つめた。

明るい茶色に染めた短い髪。
右だけに開けたピアス。
目は鋭く、尖って見える。

こんな俺が紗良の彼氏でいいんだろうか。




あー、やめだやめ。
気分が暗くなる。
紗良に会う前に暗くなってどうすんだよ。
しっかりしろ、俺!


俺は自分自身に喝を入れるとリュックを背負い直した。
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