【完】俺のカノジョは生徒会長
すると女…じゃなくて詩乃はパチリとウインクをした。
…宇宙姉ちゃんのが上手いな。
「まったねぇ」
詩乃はそう言うと走り去った。
「雷? 」
俺はこの声に笑顔で振り返る。
「紗良」
すると紗良がいきなり抱きついてきた。
「うおっ」
「ねぇ、さっきの子誰? 」
「えっ…」
紗良は今にも泣きそうな顔をしていた。
「今の子だあれ? あの子も雷って呼んでた」
「あいつは…」
俺はどう答えるべきか迷った。迷った挙げ句、真実を述べることにした。紗良と詩乃が知り合いでないことを祈って。
「あいつは篠田 詩乃。ここで待ってたら急にダチになろうって言われたんだ」
すると紗良は目をまるくした。
「え、今のが詩乃ちゃん!? 」
おいまて、紗良は詩乃とそんなに仲良かったのか? でもそれならなんで遠くから気付かない?
「詩乃ちゃん、あんなだったっけ? 」
「どう言うことだ? 」
俺は反射で紗良に聞いた。
すると紗良は一瞬躊躇して話し出した。
「えっとぉ…あの子詩乃ちゃんは私の中学の時の同級生なの…」
「………は? 」