【完】俺のカノジョは生徒会長
「いらっしゃぃ……」
俺が入った途端、あいさつが途切れる店員。ざわめく客たち。
また…か。
俺は黙って空いている席に腰掛けた。
待ち合わせの時はいつもこうだ。場所を毎日変えるから、毎日騒がれる。
まぁ、俺だけじゃないけど。
自動ドアが開く。
駆け込んできたのは…
「お待たせ! 待った? 」
紗良だ。
また店内がざわめいた。
だが、そんなのには御構いなしに紗良は俺に近づいてきた。
これもいつものこと。
「いや、俺も今きたところ」
「よかったぁ」
紗良は向かいに腰掛けながらふわっと笑った。
可愛い。仕草ひとつとっても、汗が額で煌めくのも可愛く、愛おしい。
俺はじっと紗良を見つめた。
紗良も俺を見つめ返す。
「紗良」
「なぁに」
「好きだよ」
「ふふっ、知ってる」
「やっぱ? 」
「うん、当然! 私も雷だぁいすき」
「……おう」
「照れたでしょ? 」
「いや、照れてない」
「嘘つけ! 真っ赤じゃん! 」
紗良は真っ赤になっているらしい俺の顔をつついて笑った。