【完】俺のカノジョは生徒会長





部屋が静かになる。



最初に口を開いたのは、緋華梨ちゃんだった。




「ふーん、そうなんだ」
「あの、ごめんな…」
「いいよ、別に」


えっ?




「春日井くん、人気だしね。いーじゃん、私たちライバルでも」
「へ、あ、うん」
「ね、みんな」

そう緋華梨ちゃんが呼び掛けるとみんな一斉に頷いた。

「うん、そうだよ。恋なんて自由なんだしさ!」
「そーだよ、そーだよ。ねぇ緋華梨」
「そうだよ、詩乃ちゃんも私も同じ女の子なんだから。ところで、詩乃ちゃんは春日井くんのどこが好きなの? 」

突然聞かれたうちは、しどろもどろになって答えた。

「えっと…笑うときにえくぼができるのが可愛いなって。あと、女子の私でもサッカーの仲間に入れてくれたから」



このころ一番好きなスポーツはサッカーだった。
あの白と黒のボールを脚で操るのが楽しくて仕方なかった。




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