【完】俺のカノジョは生徒会長

ここは路地裏。KINGsの集会場所。

そこで俺は、少し高くなったところに登って、みんなを見回した。

「集まった…か? 」
「集まりました」

そう答えたのは俺の唯一の側近、俊行だ。

「そうか、さんきゅ」
「いえ、めっそうもない。それより神田の兄貴、今日はQueensのみなさんも来るんですか? 」
「あ、いや、分からない」

Queens……それは女のみ5人で編成された不良グループ。
ただ、素行はよく、メンバーが美人と評判だ。
そしてこのQueensを統率する女帝は俺の姉、宇宙だ。
宇宙ねーちゃんと俺は目元がよく似ている。宇宙は身長も高く、185cmある。俺と違うところは、ベリーショートの髪を赤く染めているところ。それからピアスを何個も開けているところだ。

どこからかバイク音が聞こえる。
その音は俺らのそばで止まった。

「宇宙ねーちゃん」
「何? 雷坊」

俺ら姉弟は仲がいい。だから昔ながらの呼び名で、互いを呼ぶ。

「いや、Queensがくるの、久しぶりだなって」
「そう、じゃあ始めて」
「うん」

俺は頷くとみんなの方を向き直った。

「これからKINGsとQueensの合同集会を始める」

そんな俺らを尻目に、日はどんどん落ちていく。
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