駅のホームで会いましょう
浩くんと話した日から、毎日お見舞いに通い始めた。最初は、無言でただいるだけだったけど、最近は少しだけど話すようになった。

「稜くん、これ、頼まれてたプリン。」

「ありがとう、南さん。」

あれから、今まで知らなかったこともたくさん知った。例えば、今みたいにプリンが好きなこととか。

「稜くんはさ、暇じゃないの?毎日ベッドの上でしょ。私だったらすぐに脱走しちゃいそう。」

「さすがに脱走はしないかな。それに、案外暇じゃないよ。こうやって毎日南さんが来てくれるし。」

「私、いつでも来るよ。だから、もっと話そうね。」

「相沢さん、検査の時間です。」

「そっか、もうそんな時間か。じゃあ、また明日。」

「明日もプリンよろしくね。」
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