パラレル
生活
なかば交換日記や文通の感覚で、お互いの意識疎通が出来るようになって、色々なことが分かった。
まず、同居者は女性だった。字の丁寧さからある程度想像はしていたが、文面から少し年上の人だと分かった。
予想通り相手はすでになくなっており、僕がいない時だけは物を動かせることに気が付いたらしい。
ちなみに、ここで自殺をした幽霊というわけではなく、知り合いが住んでいたこの部屋を考えているうちに、この部屋にきてしまったらしい。
テレビはやはりドラマが好きで、僕のいない昼の時間は、昼ドラをみているらしい。
また、彼女も僕が見えないらしく、引っ越して家に物が入ったときは凄く驚いたようだ。
なにもない、家具だけをながめる生活だったが、いくつかのものが動かせることに気が付いて、面白半分でいろいろ楽しんでいたそうだ。
色々なことが分かってくると、僕は自然とそのことに対応した生活をおくるようになった。
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