理想の恋人って!?

「お、俺、塚田(つかだ)陽太！　晃一と同じスポーツ科学部の二回生。よろしく！」
「こちらこそよろしくお願いします」

　美佳と紹介された彼女がはにかんだ笑顔で言った。

「こ、こちらこそ！　あ、そ、そうだ、せっかく知り合いになれたんだし、授業が終わったら四人で一緒に昼飯に行かない？」

　あくまでも前のめりな陽太が勝手に話を進め始めた。

「おい、待てよ、陽太」

　俺の険しい表情を意に介さず、陽太が言う。

「何だよ、晃一だって明梨ちゃんと久しぶりの再会なんだろ？　積もる話もあるだろうし」
「そんなもんない。俺は静かにメシを食うのが好きなんだ」

　そこへ明梨が口を挟んできた。

「まるで私たちがうるさいみたいじゃない」
「〝私たち〟じゃなくて〝私〟の間違いだろ」
「何それ！」

　俺は顔を背けて机に頬杖をついた。